動物はストレス条件下に曝されると、視床下部−下垂体−副腎系が
活性化され、グルココルチコイドが副腎皮質から放出されます。上昇し
た血中グルココルチコイドは、骨格筋の分解を刺激します。骨格筋には
多様なタンパク質の分解経路が存在していると考えられており、
細胞質中のカルシウム依存性中性タンパク質分解酵素(カルパイン)と
ATP−ユビキチン依存性タンパク質分解酵素(プロテアソーム)が
非リソソーム系タンパク質分解経路に相当すると考えられています。
グルココルチコイドは非リソソーム系タンパク質分解経路を活性化します。
また、グルココルチコイドは、甲状腺ホルモンの様な別のホルモンの
存在下では、分解を相乗的に活性化させます。
 我々は、これらのことから、ストレスによって誘導される肉質の劣化に
グルココルチコイドおよび甲状腺ホルモンが関与していると考え、その
仮説を検証し、肉質の劣化を防除する飼料などの開発を目指しています。