飼料イネの栽培・給与試験結果と栽培推進のための手引書を作成

  水田を活用した飼料イネ栽培促進のため
  の手引書を作成

 畜産研究所酪農研究部では農林水産局畜産振興室と飼料イネの栽培と稲発酵粗飼料の利用推進に向けて、研究成果等を活用した冊子「稲発酵粗飼料−栽培から収穫・調製・給与まで」を作成しました。
 冊子は1200部作成し、県の機関を通じ市町村、農協、農家等へ配布されます。
 この冊子等を参考に、水田での自給飼料生産が促進されることが期待されます。
 冊子はA4版で14頁で、品種の選定方法から利用できる薬剤、栽培暦等を記載した実践的な内容です。
 冊子は、当研究部が平成13〜15年度にかけ恵那郡岩村町の水田30aで「水田での効率的飼料生産の検討」と題して研究した飼料イネの品種比較、栽培、収穫及び稲発酵粗飼料への調製、乳牛への給与法についての研究結果を基にまとめたものです。



  研究結果の概要
 飼料イネの品種比較では、国が開発した多収性新品種「クサホナミ」が3年間の乾物収量が平均1,768kg/10aと安定した収量を示しました。
 稲発酵粗飼料の乳牛への給与による泌乳性試験では、輸入チモシー乾草と比較したところ、稲発酵粗飼料が31.7kg/日、輸入チモシー乾草が29.6kg/日と有意差はないものの稲発酵粗飼料が高い泌乳傾向を示しました。

 稲発酵粗飼料は糞中に排出する未消化籾が問題とされていますが、乾乳牛を使い未消化籾の排出割合を調査したところ、その割合は少なく、11.1%でした。

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