平成20年8月5日(火)

飛騨牛の官能評価試験を開催しました

 畜産研究所(所長:酒井謙司(さかいけんじ)、高山市)では、農林水産省の委託事業「育種情報の高度利用によるおいしい牛肉の開発」に取り組んでおります。
(先端技術を活用した農林水産研究高度化事業(平成16年度から平成19年度)、新たな農林水産政策を推進する実用技術開発事業(平成20年度)、課題番号1673)

 このたび、岐阜県のブランド「飛騨牛」のおいしさを解明するため、牛肉の官能評価試験をつぎのとおり3回開催しました。

 内容
    1.飛騨牛の食味試験
    2.飛騨牛の安全・安心の確認
    3.飛騨牛のPR


開催日時
開催場所
パネル
平成20年7月27日10:00〜12:00 岐阜県畜産研究所(高山市) 高山市在住親子60名
平成20年7月30日12:00〜15:00 岐阜県東京事務所六本木センター
(東京都)
関東在住消費者40名
平成20年8月 4日11:00〜13:00 岐阜県畜産研究所(高山市) 飛騨牛の生産者30名

飛騨牛の食味試験では、

「おいしい牛肉とは何か」をテーマに、
  「牛肉の遊離アミノ酸組成」
  「牛肉中の脂肪含量」
  「牛脂肪の脂肪酸組成」
  「しもふり状態の細かさ」
などの要因と牛肉の食味との関係について調査しました。

 調理方法は、しゃぶしゃぶと焼き肉(1回目は焼き肉は実施していません)です。

 評価項目は、「香り」、「やわらかさ」、「噛み心地」「脂っこさ」「うま味」「味全体」「総合評価」の7項目です。ポイントは-3から+3までの7段階としました。

 評価対象とした牛肉は全て「飛騨牛」です。主に岐阜県畜産研究所にて生産されました。評価対象とした牛肉に関する情報はつぎのとおりです。

 得られた評価はとりまとめ、牛肉の理化学成分や小ザシとの関係を解析し学会等にて報告する予定です。

開催日
牛肉の等級と生産場所
平成20年7月27日 A4(岐阜畜産研)、A3(高山市内生産者)
平成20年7月30日 A5(岐阜畜産研)、A4(岐阜畜産研)
平成20年8月 4日 A5(岐阜畜産研)、A4(岐阜畜産研)
平成20年7月27日(日)に岐阜県畜産研究所(高山市)にて開催した官能評価試験の風景です。
高山市在住の親子60名にパネルとして参加していただきました。
平成20年7月30日(水)に岐阜県東京事務所六本木センター(東京都港区六本木)にて開催した官能評価試験の風景です。関東在住の消費者40名にパネルとして参加していただきました。

官能評価試験実施時の様子です。共同研究者である東京農業大学の山口静子先生と帯広畜産大学の口田圭吾教授にご指導いただきました。
和牛肉の特徴を評価するために、和牛肉独自の官能評価方法として平成17年度に開発した”しゃぶしゃぶ”により2種類の牛肉を評価していただきました。
しゃぶしゃぶでは牛肉の加熱温度が100℃未満になります。

また、今回は焼肉についても評価しました。焼肉は加熱温度を200℃に設定し、食塩と味塩を使って評価しました。

平成20年8月4日(月)に岐阜県畜産研究所(高山市)にて開催した官能評価試験の風景です。
飛騨牛の生産者30名にパネルとして参加していただきました。

飛騨牛の安全・安心の確認では、

また、飛騨牛の生産履歴を理解するため、牛の個体識別情報の検索方法を説明し、実際にパソコンや携帯電話を用いてインターネットから個体識別番号を検索する実習も行いました。検索された情報から牛の生産地や、生年月日、と畜日が判明し、牛の月齢やと畜後の経過日数、すなわち熟成期間がわかることを理解しました。
用いた資料はこちらをごらんください。

飛騨牛のPRでは、

飛騨牛は今年で銘柄化20年です。岐阜県特産「飛騨牛」定期通信である「飛騨牛9号」(飛騨牛銘柄推進協議会、平成20年4月17日発行)を用いて、飛騨牛の特徴などを参加者に説明しました。

 また、今年度開催した官能評価試験について多くのマスコミに取材していただきました。
関連する新聞記事をつぎに掲載します。

年月日
新聞社名
タイトル
記事
平成20年7月28日 中日新聞 飛騨牛もっと知ろう PDF
平成20年7月30日 岐阜新聞 飛騨牛の生産仕組みを学ぶ PDF
平成20年7月31日 岐阜新聞 飛騨牛のおいしさ判定 PDF
平成20年7月31日 中日新聞 飛騨牛の等級を隠して食べ比べ PDF
平成20年8月 5日 岐阜新聞 飛騨牛の味、確かめる PDF
平成20年8月 5日 読売新聞 おいしい飛騨牛開発へ「霜降り」食べ比べ PDF